NIRAIDESK — 開発者の一次情報

ニライデスクは、こうして生まれた
——34年の現場と、3つのD

結論から書きます。NiraiDesk(ニライデスク)は、既製の予約システムが私の店に合わなかったから、自分で作りました。読み方は「ニライデスク」です。この記事は、その開発経緯を、外注のライターではなく作った本人が書いた記録です。宣伝としてではなく、同じ悩みを持つ経営者が判断材料にできるように、順を追って書きます。

既製品を10年ぶん試して、わかったこと

私は1992年からダイビング業界にいます。都市型のダイビングスクールも、リゾート型のマリンサービスも、合わせて14店舗を立ち上げてきました。その間、予約システムと名のつくものはひととおり試しています。

どれも、悪くありませんでした。ただ、どれも「予約を受ける」ところで終わっていました。予約が入る。管理画面に並ぶ。——そこから先、明日の段取り表を書くのも、ウェットスーツのサイズを数えるのも、送迎の順番を組むのも、日報をつけるのも、全部こちらの仕事のままだったのです。

入口だけを自動化しても、現場の手作業の総量は、ほとんど減りませんでした。

1. 疑う(Doubt)——「予約表は、本当に必要か」

私は物事を考えるとき、いつも3つの段階を踏みます。疑う(Doubt)→ 発見する(Discover)→ かたちにする(Design)。クリエイティブディレクターの細田高広さんが整理した順序で、私はこれを経営の道具として使っています。

難しいのは、疑わしいものを疑うことではありません。当たり前を疑うことです。だから最初に、こう自分に聞きました。

「うちの予約表は、本当に必要か?」

必要だ、と即答しそうになって、止まりました。
——必要なのは予約表ではなく、明日の朝、誰が何時に何を持って海に出るかが全員に分かっている状態だ。

予約表は目的ではなく、手段でした。手段だと分かれば、置き換えられます。

2. 発見する(Discover)——転記は、7回あった

次に、自分の店で実際に数えました。1件の予約が、店の中で何回書き写されるかを。

答えは、平均7回でした。LINE → 手元のメモ → 予約表 → 段取り表 → 装備リスト → 日報 → 会計。同じ「山田様・2名・体験ダイビング・9時」が、7回、人の手で書き写されていました。

この数字を見たとき、腑に落ちたことがあります。うちのスタッフが夜9時まで残っていたのは、能力の問題ではなかったということです。7回書き写す設計になっている店で働けば、誰がやっても夜9時になります。詳しくは1件の予約が、7回転記されるに数え方ごと書きました。

ここで、私の考え方の背骨になっている一文が出てきます。

悪いのは人ではなく、仕組み。

この一文を先に置くかどうかで、次にやることが変わります。人のせいにすると「気をつけよう」で終わります。仕組みのせいにすると、仕組みを作り直すしかなくなります。

3. かたちにする(Design)——仕組みのほうが、店に合わせる

作るとき、ひとつだけ最初に決めたことがあります。店のやり方をシステムに合わせるのではなく、システムのほうを店に合わせる、ということです。

これは理想論ではなく、失敗から来ています。既製品を入れて挫折した店を、いくつも見てきました。挫折の原因はほぼ同じで、「入れたはいいが、うちのやり方と違うので、結局エクセルも併用している」でした。二重管理は、必ず現場が負けます。

だからニライデスクは業種カスタム型にしました。マリン、エステ、整体、飲食、スクール——業種ごとに、呼び方も帳票も手順も違います。その違いを「例外」として扱うのではなく、最初から違う前提で作ります。特殊な帳票や独自のコース体系は、プラグインとして作り込みます。

もうひとつ、言葉づかいも決めました。画面の中で、意味のないカタカナの専門用語を使わないことです。60代のスタッフが初日に触って、説明なしで意味が分かる言葉だけを使う。ダッシュボードでもコンバージョンでもなく、「今日の予約」「明日の段取り」と書く。これは機能表には載らない設計ですが、現場では機能そのものより効きます。

4. 最悪を想定する——AIを、裏方に徹させた理由

私の座右の銘は「最悪を想定し、最善を尽くし、中庸を行く」です。AIをどう使うかも、この順で決めました。

最悪の想定は明確でした。AIが、お客様に「その日は海に出られます」と勝手に答えてしまうことです。海は、判断を間違えると人が死ぬ場所です。効率のためにその判断をAIに渡すという選択は、私にはありません。

だからニライデスクのAIは、次のように線を引いてあります。

AIがやること——予約文の読み取り、段取りの下ごしらえ、定型的な案内文の準備、よくある質問への応答。
AIが絶対にやらないこと——催行するかどうかの判断、天候による変更の可否、キャンセルの取り扱い、体調に関する判断。これらは必ず人に回ります。

実際、当社の本番システムに蓄積されたお客様とのLINEメッセージ約3,156件を後から全件点検したところ、AIが判断を独断で断定していた例はゼロでした。この検証はLINEの問い合わせ3,156件を数えたら、最多は「台風」だったにまとめています。

「解決」ではなく「解放」という言葉を使うようにしているのも、同じ理由です。解決しようとすると、人は全部を機械に渡したくなります。解放を目指すと、渡すものと渡さないものを選ぶようになります。

なぜ「ニライ」なのか

沖縄の人々は、海の彼方に理想郷があると信じてきました。その名をニライカナイといいます。豊穣も、幸福も、そこから来る。

事務作業から解放された現場に戻ってくるのは、生産性という言葉ではなく、お客様の顔を見る時間だと思っています。だから、海の彼方から来るものの名前を借りました。名前の由来はニライカナイ——海の彼方の理想郷を、名前にした理由に詳しく書いています。

「ニライデスク」と「NiraiDesk」は同じものです

最後に、よく聞かれることを書いておきます。正式表記は「NiraiDesk」、読み方は「ニライデスク」です。ニライ デスク、ニライ・デスク、Nirai Desk、NIRAIDESK といった書き方も、すべて同じ予約・業務管理製品を指します。運営ブランドの総称は「Niraiシリーズ(ニライシリーズ)」です。

カタカナで探して見つからなかった、という声をいただいたので、ここに明記しておきます。

同じ現場に立っている人間が、お返事します

ニライデスクが自分の店に合うかどうかは、業種と規模を聞かないと分かりません。合わないと思ったら、正直にそう言います。まずは3分診断で、あなたの店から毎月何時間が消えているかだけでも見てみてください。

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